リアショックロアブッシュ交換(2011.10)
リアショックのリアブッシュは、実はブッシュではなくスフェリカルジョイントと言う一種のボールジョイント(日本でよく言うところのピロボール)になっています。
これは、フロントに比べショックにかなりの負荷がかかるのでそのようになっているのだと思いますが、おかげでブーツにヒビが入ったり割れたりすると車検に通らなくなってしまいます。
ショック自体はデッドストックの新品だった訳ですが、やはり経年劣化していたらしくブーツが破れたので、交換する事にしました。
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まずクルマをジャッキアップします。
ウマを噛ませたら、リアのロアアームの下にジャッキをあてがい、テンションを利かせます。
リアショックはストラットとしてボディとロアアームを繋いでいるので、リアショックのロアボルトを外すとアームが一気に降りてしまいサブフレームマウントを傷つける事になります。ご注意下さい。
もちろん、スプリングコンプレッサ(汎用の挟み込むタイプでOK)があれば、スプリングを縮めてしまう方が安全かつ確実です。
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次に、リアショックのロアボルト/ナットを外します。
ナット側から。写真ではもう8割がた緩めてあります。
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ショックのロアボルトが抜けたら、写真のようにもう一つジャッキを使い、ハブキャリアを下から持ち上げてアームを上げます。
ショックの下側が写真のように顔をのぞかるまで上げて行きます。
別角度から。
ブーツにヒビが入っているのがお分かり頂けるかと思います。
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これが使用するジグと新品のブッシュです。
ブッシュは純正だととんでもなく高価なので、社外品を使用しました。
ただのピロボールですから全く社外品でも問題ありません。ブーツはごついゴム製でむしろより信頼できそうです。
ジグはSHOP JMCのOさんに発注して作って頂いた特製です。
これがあればプレス無しでもブッシュの打ち抜き/圧入が出来ます。
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まずは小さい方のジグにブッシュのブーツ部分をはめ込みます。
受けのジグを反対側にセットし、真ん中にボルトを通して両側から締め上げて行きます。
受けのジグは、ショックの筒が邪魔になるので、切り欠きがあるところを上にしてそれをよけます。
反対側から見た図。
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当て具が中まで入り込んだところです。
ここまで行けばもうブッシュは打ち抜けています。
ナットを外し、バラすとこのように受けのジグの中にブッシュが入っています。
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外したブッシュ。
ご覧の通りブーツにひびが入っています。
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今度は、新品のブッシュを小さい方のジグにはめ込みます。
純正ブッシュならサイズ的にスポッとはまるのですが、社外品はゴムブーツがごついためにうまくはめ込むのが難しいです。
シリコンオイルをかけてねじ込みました。
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新品のブッシュをサンドするように、ジグをセットし、再び締め込んで行きます。
きちんとジグがはまっていないとジグやブッシュを傷つける事になるので注意が必要です。
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ブッシュを圧入したところ。
ある程度まで締め込んだら、左右同じだけ出るように少しずつ見ながら入れて行った方が良いでしょう。
あとはハブキャリアの方のジャッキを少しずつ下げて行き、アームの方のボルトの穴とブッシュのボルトの穴を合わせ、ボルトを通します。
結構シビアな位置合わせが必要になると思います。
出来たらボルト/ナットを復旧し、ジャッキを下ろして終了です。
※ブッシュをご購入頂いた方でDIYでやられる方、または工賃を安く上げたい方にはジグを有償貸し出し致します。
詳しくはメールでお問い合わせ下さい。