ロアアームブッシュ交換その2
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2010.11追記
2回目交換時には自分でブッシュを打ち換えましたので、その模様をレポートします。
ブッシュ抜き/圧入用アダプタは小川さんが作ってくださったもの(アッパーアームブッシュ交換を参照)です。これがあると非常に仕事が早いです。この場を借りてお礼を申し上げます。
ロアアームは、ボルトで結合されているので、ボルトを外して前後2本に分けてブッシュ圧入を行います。
(1)ロアアームフルクラムブッシュ(アーム後側ブッシュ)
ブッシュの状態。
破れて酷いことになっています。
アダプターをあてがってブッシュを抜きます。
アップ。
下の受けの中に外れたブッシュが落ちます。
アダプターとブッシュの関係。
左端のシャフトのようなものは、ブッシュの真ん中に通ってセンター出しが出来るようにした優れものです。
(2)ロアアームブッシュ(アーム前側ブッシュ)
ロアアームブッシュ交換時には、つばの部分を金のこで切り落とすか、写真のようにたがねで2カ所を折り曲げます。
このような状態です。
なぜこのような作業が必要かと言いますと・・・
プレスでブッシュを打ち抜く際、アーム部分の引っかけが必要だからです。
ブッシュが下に逃げるよう、写真のようにセットしなくてはなりません。
(3)ショックロアブッシュ
写真がありませんが、上の2つと同様に入れ替えしました。
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組み込みです。
しかしここで問題が・・・
写真はロアのフルクラムブッシュの方ですが、フルクラムシャフトを差し込んで仮組みしてみると、若干隙間が出来ています。
この隙間はブッシュの圧入具合で変わってきます。
この時はアームと面位置になるよう圧入したので、このように隙間が出来てしまいました。
従って、ブッシュ圧入前に、メンバーとアームの位置関係をきちんと測り、それに合わせてブッシュの入れ具合を調整した方が、二度手間にならず良いと思います。
結局ブッシュは一度抜いて入れ直しました。隙間がなくなるくらい、写真で言うと左方向、つまり車両前方にブッシュを飛び出させました。
もちろん、これくらいの隙間は、フルクラムのナットを締め込んでしまえばなくなるのですが、若干ブッシュにねじれが生じることになります。この辺りの細かい配慮がブッシュの寿命に関わってくるようです。
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フルクラムシャフトを通し、ショックロア、スタビリンクを仮組みします。
スプリングは組まずに、ハブ、ブレーキキャリパー、ボールジョイント類を組み付けます。
その後、アームの位置決めをきちんとしてから、仮組みした各ボルトを本締めします。
これが非常に重要で、この作業のキモです(詳しくは上記リンク先参照のこと)。
これを前回やらなかったが故に、ブッシュの寿命が半年程度になってしまいました。
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あとはスプリングを組み付けていきます。
スプリングパンの組み付けの際には、ボルトの位置合わせにかなり苦労します。
写真右側、車両内側の方が必ず浮きますし、ボルト穴がずれるので、リフトで作業をしているならば、出来るだけ下げて、ジャッキなどでスプリングパンを押してヘルプしてやるとだいぶ楽に作業できるようになります。
ボルトには、再びゆるみ止めを施すのがベストです。
組み上がったら、お店に持っていき、アライメントを調整しましょう。
とりあえずトー角だけでも見てもらって下さい。
2011. 10追記
8月頃、足回りより異音がし始め、見てみるとロアアームブッシュにかなりよじれた跡がありました。
がっくり来て交換する事にしたのですが・・・
このときはそれがサブフレームブッシュの傷みのせいだとはつゆ知らず、ゴムブッシュではローダウンに耐え切れないのではという考えからウレタンブッシュを採用する事に踏み切りました。
以下の写真は純正ブッシュとの比較です。
フロント側
リア側
フロント側、アームに装着したところ
リア側、アームに装着したところ
写真を見ると分かる通り、アームの両側の隙間部分をウレタンが埋めるような構造になっており、これがアームのよじれを防ぎます。
結果、ロードホールディングが良くなり、直進性も向上すると言う理屈です。
難点は乗り心地というよりも騒音面ですね。
なじむまでは相当うるさかったです。なじんでからも遮音性という点ではゴムには全くかなわないと思います。しかし、元々静かなクルマなので、もちろん我慢できないレベルではなく、それでもなお普通のクルマよりは静かで問題は感じていません。
直進性に関してはサブフレームマウントを替えてしまわないと公正な判断が出来ませんが、ゴムブッシュ時より良くなっているのは実感できます。
また追って報告致します。