パワステホース交換(2010.5)



フロントサスペンション周りのオーバーホール時に、ステアリングラックまで外す必要があったので、ついでにパワステホースもすべて替えることとしました。
パワステホースは計4本あります。結果換えて正解でした。1本は先にパイプからにじんでいるのを発見し、パテでごまかしていましたが、その他のホースもにじみが来てもう寿命を迎える寸前でした。
ホース交換は整備の中でもまずまず難易度の低い部類に入ると思いますが、下に潜らなければならないのでそれだけが面倒です。

ジャガーはラックが弱いとよく言われますが、X300ではこのホースからの漏れと、ラックマウントの劣化以外には大きな問題は起きにくいです。





パワステホースのパーツ図です。
V12では全く異なりますが、直6モデルは基本的に同じです。

今回、作業するにあたって20番の低圧ホースがバックオーダーで間に合わず、結局、重機用の油圧ホースを扱っているお店に行き、ホースとクランプを購入しました。








作成したホース。


低圧ホースはこのように、通常のホースをクランプ留めにすることで対応が可能です。
見分け方ですが、低圧ホースはカシメが高圧と違い何重にもされていません。



20番のステアリングラックーパワステオイルクーラー間のホースカシメ部分アップです。


参考写真。
エアコンの高圧ホースのカシメ部分です。
このようなカシメが施されている場合には、クランプでは歯が立たないので、純正品を買う必要があります。


ホースのみの換え方は、
ATオイルクーラーホース交換を参考にして下さい。
もちろん、まずはジョイント部をラックおよびクーラーから外さなくてはいけません。






同ホース。オイルクーラー側のジョイントを下から撮った写真です。
ロングナットを緩めて外します。

DVC00238
横から見た写真。
写真のように、電動ファンを取り外すと簡単に外す事が出来ます。



ステアリングラックからはこのように出ています。
ここのナットを緩めて外す訳ですが、フルードがたくさん流れ出てくるので受けておきます。
実質は3リッター程入っていますが、1リッター強出てきます。

ホースとジョイント部のアッシーを新品にするときには問題ないのですが、ジョイントを切り離し、ホースだけ換えるときにはOリングも新しい物にしましょう。市販のOリングキットで十分間に合います。






次に、パワステポンプ〜ステアリングラックの高圧ホースを換えます。
パーツ図の19番のホースです。


ここはエンジンベイ右側(運転席側)から見れます。
このようにオイル漏れを起こしていました。





交換ですが、まずは下に潜り、ラック側のジョイント部分を外します(赤丸で囲んだ部分)。
ラック〜オイルクーラー間のホース(黄色矢印)の隣に接続されています。

かなりナットが固い上に場所が狭いので、ラック〜オイルクーラー間のホースの接続を話した後で作業した方がやりやすいです。
3の最後の写真と見比べて、位置関係を確認して下さい。




そのまま少し前に移動して、パーツ図14番のホースブラケットを外します。
プラスねじで留まっています。
パーツ図では横向きについているように掲載されていますが、実際はエンジンブロックに上に向かって取り付けられています。






後はボンネット側からパワステポンプとのジョイント部分を外します。
供回りしないように下側(黄色矢印部分)をレンチで押さえ、ナット(赤い矢印)を回します。





あとは上側2本のホース交換です(パーツ図1と18)。

旧ホースと新ホースの比較。




まずはリザーバタンクを外します。
赤い矢印で示した2カ所のねじを外します。
青い矢印の部分でも留まっていますが、ここは2本のねじを外した後スライドさせれば外れます。



青矢印のマウントを逆側からアップで見たところ。
ねじを外さなくてもタンクは外れます。






タンクがフリーになったら、ホースを抜いていきます。
固着しているので、ピックツール等で引きはがしてから注意深く抜きましょう。
タンクが樹脂なので、折らないように気をつけて下さい。
下側のクランプも緩めて、リザーバ〜パワステポンプ間のホースを抜いてしまいます。








外れたタンク。








リザーバ〜パワステポンプ間のホースの下側も、クランプを緩めて外します。
写真矢印先のクランプです。








リザーバ〜オイルクーラー間のホースも、オイルクーラー側のナットへのアクセスが悪いので、電動ファンを取り外してしまいます。



逆側から見たところですが、電動ファンがなくなったことでアクセスが用意になったのがお分かりになると思います。





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最後に、このブラケットを外してしまえばすべてホースが外れます。





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戻すときには、すべてのホースをつないだあと、オイルの補充をします。
オイルをリザーバタンクから入れた後、ステアリングを端から端まで数回切り、もう一度リザーバにオイルを足します。
これを数回繰り返した後、エンジンをかけ、ポンプを駆動してやります。
すると、一気にオイルが吸い込まれますので、もう一度ロックトゥロックまで数回切って、エア抜きをします。
リザーバタンクの中のオイルが減っていたら、適量まで補充して下さい。



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