ロアアームブッシュ交換その1(2010.4)(2010.11再交換)




フロントサスペンションですが、左のロアアームのブッシュがつぶれてしまってから半年以上が経ってしまいました。もっと早くに交換しようと思い、小川さんの所にお邪魔してはいたのですが、なんと純正のスプリングコンプレッサが相当長く通常のジャッキアップでは対応しきれませんでした。


結局、私は基本的に作業を外でやるので、冬は寒いという事で春まで待つ事にしました。


作業は、ステアリングラックまで外さないといけないという大変なものです。結局すべて終わるまで4日を要しました。
店で頼むと大変なことになるでしょうね。今から思えば、小川さんのところにお邪魔した際、できなくてよかったのかもしれません。よそでこんな収拾のつかないことになっていたら・・・と思うとぞっとします^^;


ブッシュ打ち換えのアダプタは小川さんが削りだしで作って下さり、場所はnext0n0さんがご自宅のガレージを開放して下さいました。また、小川さんには作業に際してのアドバイスを色々頂きました。お二人にはこの場を借りてお礼申し上げます。



作業に当たっての注意点です。

・高くジャッキアップするので、必ずウマの位置などを入念にチェックする
・足回りにはインチのボルトとナットが多用されているので、インチ工具は一通りそろえておく。ほとんどのねじ類が固着している上に、狭くてボックスレンチが使えないところが多いので、ロングタイプのコンビネーションレンチがあるとかなり便利。
・ロアアームのフルクラムシャフトとボルトを外すには、大型のモンキーレンチ(40mmクラス、おそらく32mm)と、22mmのレンチ(ボックスで良い)が必要。
・ボックスレンチのスピナハンドル(柄の部分)も、かなりトルクをかけないと回せないところが多いため、ロングタイプ(ブレーカーバーと言う)を1本用意しておくこと。









パーツ図を確認しておきます。

1 :アッパーアーム(前)
2 :アッパーアーム(後)
3 :アッパーアームブッシュ(前後とも同じ物)
4 :アッパーフルクラムボルト
5 :スペシャルナット(回り止め付き)
6 :ボールジョイントボルト
7 :アッパーボールジョイント
8 :シムスペーサー
9 :ロアアーム(前)
10:ロアアーム(後)
11:ロアアームブッシュ
12:ロアフルクラムブッシュ
13:ショックアブゾーバーブッシュ
14:ロアフルクラム&ナット
15:ロアボールジョイント
16:ボールジョイントボルト
17:スタビライザーリンクボルト
18:スタビライザーリンクワッシャー
19:スタビライザーリンクナット
20:ABSセンサーコードブラケット
21:アッパーボールジョイントナット
22:ワッシャー
23:ロアボールジョイントナット
24:ワッシャー
25:ロアフルクラムスペシャルワッシャー
26:ロアアームスペシャルワッシャー
27:前後ロアアーム連結ボルト













つぶれたロアアームブッシュです。アッパーアームブッシュと同じく、外側にカラーがあり、内側にボルトの通るガイドがあり、その隙間をゴムで充填してある物です。ゴムが劣化してくると、最悪今回のようになります。

放っておくと異音がゴリゴリと酷いので、グリスをかけてごまかしていた為にべとべとになっています。









まずはジャッキアップしなければなりませんが、純正スプリングコンプレッサを使う為には最低でも70センチは上げないといけません。

ブロックとレンガを積んで高さを稼ぎましたが、かなり危険を伴うので、必ず地面が水平で固い場所を選んで下さい。写真ではまだレンガを積んでいません、この状態でもギリギリ高さが足りなかったということです。

油圧ジャッキも高さが足りなかったので、ブロックを積み、その上に載せてどんどんジャッキアップしていきました。ただし、上下あまり高さに差が出ないように、少しずつやっていきましょう。今回の場合、ジャッキアップだけで1時間半かかっています。







タイヤを外し、ハブアッセンブリーを外します。



まずはキャリパーを外します。

(1)パッドを留めているクリップはペンチで引っ張って外します。




(2)キャリパーは裏に2本のボルトで留められているだけですので、ボルトを2本外してから外します。
 ローター周りに耳ができている場合(パッドでローターが削れて段差ができている状態)には、そこが干渉して外しにくいかもしれませんが、うまくスライドさせて外して下さい。




(3)外れたら、ブレーキフルードのラインに負担がかからないように針金などでくくりつけておきます。写真ではゆるいですが、もっとしっかりとくくりつけて、できるだけブレーキホースに力がかからないようにして下さい。



その後、ABSセンサーを外します。
8mmのボルトで留まっているだけです。こちらも邪魔にならないように引っ掛けておきます。







その後、タイロッドエンドおよび上下ボールジョイントを外します。

タイロッドエンドは上のナットを外し、タイロッドエンドリムーバー(テーパーブレーカーともいう)で外します。はまり方がボールジョイントほど固くないので、ハンマーでたたいても良いでしょう。


外れたところ。







上下ボールジョイントをアームから取り外し、ハブキャリアをフリーにします(
ボールジョイント交換を参照)。

アッパーボールジョイントは、アッパーアームのボルト(黄色矢印)を2本外せば外れます。



次に、ロアのボールジョイントを外します。

ロアボールジョイントの下側の4つのボルトは今は外す必要はありません。先にタイロッドエンド(トラックエンド)を外しているため、ロアボールジョイント上のナットを外してテーパーシャフトを抜くだけで、ハブアッセンブリーが完全に取り外せるようになります。







ハブアッセンブリーを外したら、今度はスタビリンクを外します。
下側のボルトだけ外して、上に跳ね上げておけば大丈夫です。
スタビブッシュ交換も参照して下さい。






スプリングパンのところにあいている穴からスプリングコンプレッサーを差し込み、



スプリング上部にあるサブフレームの引っ掛け穴に通し、スプリングコンプレッサーを引っ掛けます。



写真はスプリングを外した後ですが、このような穴があいています。


この図のような感じで引っ掛けます。




少しテンションがかかるくらい締め上げて、スプリングパンのボルトを外していきます。
計6個あります。ゆるみ止めを施してあるので相当固いです。



スプリングパンのボルトが全て外れたら、スプリングコンプレッサを徐々に緩めていきます。
スプリングの上部がタイヤハウスから離れたら、スプリングコンプレッサの上の引っかけを外してスプリングを外します。重いので注意して下さい。







次に、ショックアブゾーバーの下のボルトを外します。

写真ではスプリングが付いたままですが、
スプリングが付いた状態で、下からのジャッキアップのない状態/スプリングコンプレッサが付いたままの状態では絶対にショックを外さないで下さい。スプリングコンプレッサがスプリングの中を通っている場合、スプリングが湾曲してスプリングコンプレッサに干渉し、ネジ山がつぶれてしまいます。





10

これでとりあえずサスペンションアームはフリーになりましたが、ロアアームのフルクラムボルトは、ステアリングラックが邪魔をしていて引き抜く事が出来ないので、ステアリングラックを外す必要があります。
ラック4本のボルトを外せば、ラックが宙ぶらりんになりますので、針金などでぶら下げておけばOKです。
ホース類は外すと厄介なので、そのままにしておきます。


ステアリングラック脱着にも写真があるので、参照して下さい。




11
ステアリングラックが外れたら、ようやくロアアームのフルクラムボルトとナットを緩めます。
フルクラムシャフトを引き抜く前に、基本的にはパーツ図通りにすれば問題はありませんが、ワッシャーの位置関係、ブッシュの入っている方向をしっかりと把握しておきましょう。


ナットを外し、フロントのプレートを外します。


フルクラムシャフトを車両後方に引き抜きます。
固着している場合は556をさし、ハンマーで叩いたり、レンチで回すなどし、頑張って引き抜いて下さい。


写真はアームを外してしまった後。



外したロアアームです。
今回はこれをお店に持ち込み、ブッシュの打ち換えをしてもらいました(2010.5)。

2010.11の作業の際は、自分で打ち替えました。



その2に続く





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