ビスカスファンクラッチ/ファンブレード交換(2013.2)(2014.4追記)
ファンの根元にはビスカスファンクラッチというシリコンオイルの粘性を利用したファン回転制御用のクラッチが付いています。
これも年数とともに働きが鈍ってきますので交換が必要です。
固着した場合は常にファンが回る事になり、オーバークール気味になります。
逆にスカスカになると、ファンの回転が十分得られず、オーバーヒート気味になります。
オイルが完全に抜け、クラッチの内部の摩擦が大きくなると、発熱してファンブレードを傷める事もあります。
1
まず、ファンのテンショナーを緩め、ベルトを緩めます(赤丸のナットを緩めます)。
次に、緑丸のナットを緩め、青丸のボルト/ナットを外し、ファンテンショナー/ジョッキープーリーを取り外します。
2
次にファンとクラッチをつないでいるナットを外していきます。
ワッシャーを落すと直ぐに無くなるので、外すときは要注意です。
緩める部分とは違うナットと、ファンクラッチの軸の部分の隙間などにマイナスドライバーなどを突っ込み、回り止めをしつつ緩めていきます。
3
ナットを外したら、ファン/ファンクラッチをラジエーター側にそっとおいておきます。
5
ファンドライブユニットの根元にあるボルト/ナットを外し、ファンドライブユニットを取り外します。
ボルト2本、ナット2個で留まっています。
私のクルマの場合、ドライブユニットが固着しておりかなり取り外しに往生しました。
ボルト2本、ナット2個が外せたのに取り外せない場合は、揺するなどして取り外して下さい。
ナット部分にはエンジンから伸びているスタッドボルトがありますので、ここに変な力をかけて曲げたり折ったりしないよう注意が必要です。
ファンドライブユニットを取り外した所。
青い矢印部分がスタッド(ナットで取り付け)、赤い矢印部分がボルトが入っていた部分です。
6
ここで、ラジエーターの所においてあったファン/ファンクラッチを引き抜きます。
7
右から
・ファンドライブユニット
・テンショナー/ジョッキープーリー
・ファン/ファンクラッチ
です。
8
外れたファンとクラッチ。
4本のボルトで留まっているだけなので外すのは容易です。
エンジンのオイル漏れのせいで汚れに汚れています。
よくよく見るとファンブレードに亀裂が数カ所入っていたので、新品を発注する事にしました。
今回はとりあえずそのまま使います。
なお、これが現在新品で出て来るファンブレード。
上の写真と見比べて頂くと分かりますが、羽根の部分が若干長くなり、また幅も広げられ、より風量が増すよう形状変更がなされています。
内部の金属部分の穴にも小さなスクープ(ひねり)を作って、空気をすくい取り、風を流すようにしてあります。
従って、この改良型ファンに取り替えるだけでも冷却効果はかなり上がります。
こちらのページをご覧頂くと、より違いがはっきり分かるでしょう。
http://www.jag-lovers.org/xj-s/book/FanYellowVsBlack.html
(海外サイトに飛びます)
9
新品のファンクラッチ。
アメリカから入れた社外品です。外径が一回り小さいですが、問題なく使える事を確認。
これが適合すれば値段が一気に下がるので期待していたのです。
実際にフルードが入っている部分の大きさは変わらないので、寿命やスペックなども変わらないでしょう。
10
あとは逆順なのですが・・・
クラッチとファンを入れる時がもうストレスものです。
あまりに大変で写真はありません。
ファンドライブユニットとクラッチをナットで固定しますが、このナットをはめるのが究極にイライラする作業です--;;
場所が狭く、ナットがようやく1個はいるだけの隙間しかありません。
しかも、1カ所をきつく締め込むと他の3カ所のナットを入れるスペースが無くなるので、全て緩ーく締めて、とりあえずナットを入れてしまったあとで本締めに入らないといけません。
しかもあまりに緩いとファンドライブを回している最中にナットが落ちたりします。
精神的に参る作業でした・・・
従って、落ちても地面まですっと落下するように、アンダーカバーは外してから作業するのが得策でしょう。