メインファン電動化3(2014.4)




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配線の模式図です。
画像は全て拡大出来ます。




まずは全体図です。
Pasted Graphic
これを一気に見るとかなり複雑なので、まずはメインファンの配線のみ説明します。




Pasted Graphic 1
ここからさらに、話を簡単にするためにダイオードユニットは取ってしまいましょう。
ダイオードユニットについては後述。あってもなくてもあまり変わりません。



Pasted Graphic 2
まず通常時、水温が上がるまでは上図の通り、どこにも電流は流れません。




Pasted Graphic 3
上記スイッチの場合は、水温が85度になると、次の図のように4極リレーの方に電流が流れます。
(これは高すぎるため見直し中)

すると、赤丸で示した部分の4極リレーの接点が繋がります。




Pasted Graphic 4
すると、ファンのロー側配線に電流が流れ、ファンがロースピードでonになります。




Pasted Graphic 5
水温が100度を超えると、5極リレーの方にも電流が流れます。
するとやはり5極リレーの方の接点も切り替わります。
(4極リレーの方にも継続して電流は流れているので、接点は繋がったままです。)




Pasted Graphic 6
すると今までロー側に流れていた電流が切り替わった接点を通ってハイ側に流れ、ファンがハイスピードに切り替わります。




まあこのような感じで割と単純な話です。
リレーの方はアクセサリー電源から取っているので、キーオフでファンの電源も切れます。


しかし!
エンジンを切った後も、ある程度ファンが回ってくれていた方が熱がこもらず、エンジンルーム内のゴムや樹脂の保護に役立ちます。
かといって、ふと水温が上がった時、あるいはスイッチが壊れた時、キーオフなのに勝手にファンが回っても困ります。
それを解決してくれるのが、元々純正のサブファン制御用に付いていたファンランオン(fan run-on)ダイオードユニットです。



Pasted Graphic 7
エンジンを切ってキーを抜くと、アクセサリ電源からの電流は当然カットされます。
しかし、85度の方のサーモスイッチが入っている状態だと、バッテリー電源からダイオードユニットを通って4極リレーに通電するので、キーオフ状態でも電気が流れ続け、サーモスイッチがオフになるまでファンがしばらく回るのです。
一度ファンが切れてしまえば、アクセサリ電源をオンにするまでファンが再び回ることはありません。
なお、エンジンシャットダウンのあとはロースピードでしか回らないようにしてあります。ハイだと電流食い過ぎてバッテリーが死亡する恐れがあるためです。

しかしこの仕組みを考えた人は偉いですねえ・・・
最初なんでこんなものが付いているのか全く分かりませんでしたが、リサーチの結果面白い役割を果たしていると分かり、使ってみることにした次第です。



さて、次はサブファンです。


Pasted Graphic 8
サブファンは温度とACコンプレッサのど両方に連動してオン/オフするようにしています。



Pasted Graphic 9
温度センサーで温度が一定以上上がった時、コントローラー内のスイッチが入ると、リレーに電流が流れます。



Pasted Graphic 10
するとファンに電流が流れます。



Pasted Graphic 11
コンプレッサがオンになると、コンプレッサ連動リレーの方に電流が流れます。




Pasted Graphic 12
すると、これがサブファンのリレーに電流を流れさせ、



Pasted Graphic 13
ファンに電流が流れるようになります。




ファンの速度を可変にしない限りは、リレーでの制御のみになるので、リレーと言うものの原理さえ分かれば何とか組めるものです。
実際、80年代後半から90年代前半にかけての自動車の電動ファンの制御はこの程度のものです。
X300のツイン電動ファンは面白くて、2個のファンを、温度が低いときは直列つなぎ、温度が高くなると並列つなぎにしてスピードを調整していました(直列のときは電圧が2個のモーターで半々になるため、ファンスピードが半分になる)。

X308/X100も多分同じような制御で2スピードだと思いますが、これは単純なサーモスイッチとリレーでの制御ではなく、エアコンECUが温度とエアコンの使用状況に応じてもっと細やかに制御しているようです。

現在のクルマはファンのスピードも無段階に可変で、ECUで、水温やエアコンの使用状況、エンジン負荷、エンジンルーム内の気温など、全てを鑑みてファンを制御しているため、おいそれと手を出せるようなものではなくなっています。





その4につづく



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