メインファン電動化(2014.4)
ついに念願であったビスカスクラッチ式ファンから電動ファンへの変更を行いました。
よく海外ではシュラウドから作った2ファンのシステムを入れている人が多いのですがめちゃくちゃ高い。
まあポン付で楽なのでしょうが、そんな余裕はないのと、それでは面白くないと言うので、色々調べて既存のファンシュラウドを生かしてやってみようという事になりました。
記事が長いので二分割しています。
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まず、ファンシュラウドを取り外し、ラジエーターアッパーパネル(コアサポートパネル)も取り外します。
もちろん、上記過程でファンドライブユニットも取り外します。
これだけで大概面倒です。
ファンドライブユニットを外したあとは、ウォーターポンプを共締めしているスタッドボルトを抜き、短いボルトにかえる必要があります。
(1)
ファンドライブユニットを外したあと。
青い矢印がそのスタッドボルトです。
赤矢印もファンドライブユニットを留めてあった部分で、ここは普通のボルトが使われていますが、やはりボルトの長さを短くする必要があります。
(2)
これだけ緩めると、さすがにウォーターポンプのシールが剥がれ水が漏れ始めたので、短いボルトが来るまで、元のボルトにスペーサーをはさみ、無理矢理固定していました(赤丸)。
スペーサーは普通にホームセンターで売っています。
スタッドは、青丸の部分のように、ダブルナットをかませて緩め、抜きました。
ここのボルトはなんと並目のインチでした。
スタッドの、ダブルナットをかませてある側は細めのインチ。何ともまあ・・・という感じですが、XJSではこれに加えミリまで混ざっており、3種類もある訳ですから、ねじ一つなくしても大騒ぎになる可能性が高いです。
(3)
ボルトは純正サイズの中から適当な長さのものを本国に注文。
水漏れがどうにも止まらなくなったので、良い機会とばかりにウォーターポンプまで交換してしまいました。
これでしばらく安心です。
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取り外したファンシュラウド。
これをそのまま利用します。
3
今回は、サブファンも音が出ていたため、これも交換します。
サブファンを取り外します。
ファンだけを取り外す場合は、この3つのナットを外せばOKです。
ファンブラケットを外したいときは、裏側にブラケットをナットで留めてあるので、これも同じく3箇所のナットを外して取り外します。
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今回は海外から仕入れた12インチのファンを使いました。
このサイズで1750cfmの風量を誇るとのことですが・・・真実は??
がしかし日本で手に入る汎用ファンの倍以上の風量に惹かれ購入。まあ値段も倍以上しましたが。
ファンのカバーのサイズはドンピシャだったのですが、中のファンがシュラウドの穴と丁度同じサイズで入らない・・・仕方ないので羽根を削って調整しました。
11インチくらいになったでしょうか。それでも多分安物ファンよりも風を送ってくれるはずです。
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上記汎用ファンのプラスティックで出来たシュラウドが、サブファンのシュラウドに測ったように綺麗に被さります。
ただ、そのままでは上手く行きません。
プライヤーなどで少し反りを伸ばしてやります。
特に段差のある部分を滑らかに・・・
上と比べてみて下さい。
あとは、配線留めのクリップも全て外します。
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これで、面白い位綺麗にハマります。
裏から見た所。
ファンの干渉も無し。
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メインファンには、アメ車用の17インチファンを入れます。
トーラスのファンで、向こうのマッスルカー乗りの間では定評のあるファンです。
7L 500ps級のV8を冷やせるだけの能力があるらしいので、V12にも必要十分以上でしょう。
勿論、このままは付かないので、シュラウドを削ります。
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ここまで大胆に削ります。
これも後から知ったのですが、実は同じモーターと羽を使ったファンがボルボにもあり、そちらを使えばシュラウド加工がもっと楽だったのですね・・・
フォード傘下だったため意外なところでアメ車と共通の部品があったのでした。
裏から。
仮組み。
いい感じです。
最終的にこうします。
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オリジナルのシュラウドは、構造上内側に段差が出来ているので、ここにジャストサイズで削った電動ファンのシュラウドをひっかけつつ、ブラケットで固定します。
直接シュラウド同士が接触すると、振動がかなり伝わってしまうと思われたので、間にゴムシールを挟んで緩衝剤としました。
一寸分かりにくいですが、1周ぐるっとゴムシールを巡らせました。
ブラケットとシュラウドの間にもゴムを貼り付け、振動対策としてみました。
ブラケット、別角度から。
取り付けたところ。
ボルトとナットで4箇所固定。
しかしスペースがほとんどなく穴開けも大変でした。
サブファンは、もともとサブファンのブラケットを留めてあった穴と、その穴の横にドリルで開けた小さな穴とを利用し、タイラップで固定しました。
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サブファンは右下がセンサーと、左上がアッパーホースとそれぞれ干渉するので、シュラウドを削っています。
メインファンは青い部分の高さを一寸削った方が本当は良さそうです。
クランクプーリーとの隙間が1cmくらいしかありません・・・かなりギリギリです;;
これは走らせて干渉しないかチェックが必要です。
サブファンのセンサー側の切りかき。
ここはオリジナルのファンシュラウドにも切りかきが付いていますので、それに合わせて削ります。
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元々、サブファン制御用の2極のサーモスイッチ(92度オン87度オフ)を・・・
X300の3極サーモスイッチ(ロー85度オン、ハイ100度オン)に交換。
これでメインファンの2スピードの切り替えを行おうと思っていたのですが・・・
X300とは水温/ラジエーターの放熱能力に大きく差があるのか、エンジン側の水温(ラジエーターに流れ込む直前の一番熱い所で水温計の水温を取ってます)と、冷えたこの部分に流れ込む水温の差がかなり大きく、85度でonでは遅すぎるのですね。
この温度だと優に水温計では真ん中を超えた所からonになり、停止時だと水温が下がりません。
結局、ひとまずはイグニッションオンでもうファンを回し、85度のスイッチが入った時点でハイになるよう配線を変えて対応しています。
電圧計は至って安定しているので、エンジンが回ってさえいればハイに切り替わってもとりあえずは大丈夫そうです。
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サブファンは室内に設置するコントローラーで制御します。
サブファンは中華製ですが、安いくせに優れもので、液晶での温度表示に加え、オンになる温度と、その後スイッチが切れる温度を独立して設定出来るのです。
ただのサーモプローブで制御する安物ファンだと、ダイヤル回してもそれが何度だか分からない、というただのつまみを回して、エンジンの様子を見ながら調整するしかありませんし、ちょっとでも温度が変わるとすぐオンオフを繰り返して鬱陶しいんですね。
これはそんなスイッチよりも安いくせに0.1度刻みで温度表示出来るし、実際の温度と温度計にズレがあれば修正出来るし、一度オンになったら最低何分かはスイッチが切れない、と言うようなタイマーまで設定出来るし、何ともはや高性能。中国恐るべしです。
残念すぎるのは説明書が絶望的に分からないことです・・・カナダの四駆専門サイトで商品紹介がありやり方が分かりました。それがなければ買ってもどうにもならんです--;
ま、そこが中国らしいですね・・・
今回は走りながら様子を見て、70度オン、63度オフにしました。
ラジエーターの表面温度なので、走っていると割と常に冷えていて、春先くらいだと余り必要としません。
今後も細かくチェックして変えていくことになると思います。
ブラケットはアルミ板で制作しました。
設置はグローブボックスの中。配線は勿論エンジンルームから室内に引き込みました。
その方法は次のページへ。
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