ATオイルクーラーホース交換


私が唯一立ち往生を経験したトラブルがここの破れです。

ATオイルを冷やすためのオイルクーラーはラジエーターに併設されています。ここが破れると、もちろんATオイルがどんどん漏れてしまうので、最悪ATの焼き付きにもつながります。
ATオイルが漏れると、油圧が上がらず変速がおかしくなるので、そのようなときにはすぐにクルマを止めましょう。




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赤矢印がAT側からのオイルがやってくるほうのパイプ(オイルクーラーアウトプットパイプ NBA4500BB )、青矢印が冷えたオイルがATに戻っていくパイプ(オイルクーラーリターンパイプ NBA4510BB )です。
これ、基本的には金属なのですが、一箇所ゴムホースの部分があり、それの部分が劣化すると亀裂が入ってしまい、今回のようになります。




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サクションパイプ(吸気パイプ)側から見た図。
先程のところから伸びてきたホースはここを通ってATまで伸びています。
黄色矢印が破れた箇所です。
ここからブジュブジュ漏れていました…(--;;;



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すぐに欲しかったので、国内在庫を探しましたが、パーツはイギリスに言わないと無いということでした。
それなら自分で輸入した方が早いし安い。
Jaguar Daimler Heritage Trust(クラシックジャガー専門の情報管理等に携わる団体のようで、本社公認のようです)にパーツがあったので注文しました。
破れていない方のホースも寿命来ているのは目に見えているので両方発注です。


これが非常に高い!アッシー交換にするとパーツ代のみで優に4万は下りません。
後ほどゴム部分のみ換える方法も記載します。写真は新品。



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自分で交換しようとしたのですが、ジャッキアップで下にもぐりこんでやるのは相当な困難を伴う事が分かり、あきらめました。
で、家族の勤める国産車ディーラーにお願いして交換していただきました。
時間工賃から考えて、1万〜1万2千円程度の仕事になると思います。あとはATフルードが漏れるのでそれが1リットル分くらい。よって1万5千円あれば十分にたります。



そのため、作業中の写真はなしです。代わりにパーツリストと各部の写真を貼り付けて解説しておきますので、ご自分でやられる方はご参考になさってください。

(1) 10のクリップを、マイナスドライバ等でこじって外します。

(2) 8のブラケット(2箇所)を外します。前はフロントのサブフレームのところにあるため、かなり外すのが厄介です。
上からラチェットで攻めた方がよいでしょう。プラスのねじで留まっていますが、場所的に固着している可能性が高いです。私は556を吹きかけて外しました。
以下実際のブラケットの写真です。


車両前側。



AT



(3) 後は両端のナットを緩めて外すだけです。かなりボタボタとATフルードが漏れるので、ゴムなどで栓をしておくのがいいと思います。
AT側はオイルパンの奥まったところにボルトがあるので、もぐりこんで外すのはかなりしんどいです。
さらには、水回りのホースとの兼ね合いで、引っ張りだすのが知恵の輪状態になります。最悪、クーラントホースを外して作業することも念頭においておいた方が良いでしょう。






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クーラーホースは非常に高いです。金属とゴムが一緒になったパイプはいずれのパーツも高価になります。
しかし、パワステホースの一部とATオイルクーラーホースのように、カシメ部分が1箇所しかない、低圧で液体を流しているホースは、ゴムホース部分のみ交換することが可能です。
上の写真はゴムホース部分を切り取ったところです。




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カシメ部分を切り取ります。すると・・・





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中にはこのように抜け止めが施されています。
従って、同径の耐油ホースとホースクランプ(水道用で大丈夫です)さえ買ってくれば、非常に安価に修理することが可能です。






ダメになったホースの状態と応急処置


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破れはこのようになっていました(金具上あたりの亀裂)。
劣化して裂けたんですね。
留めた部分が膨らんできて細かいヒビが入りはじめたら、取り替えた方がよいでしょう。




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ダメになったホースは写真のように応急処置を施しました。
内径15.9mmのゴムホースを用意します。
縦に切れ目を入れ、中に耐油性の液体ガスケットをこれでもかと塗りたくり、破れた部分に外側からまきつけます。
外側を水道用のホースクランプで締め上げれば終了です。
これでしばらくは乗れます。



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クランプを外したところ。
結構びっちりくっついています。
うまくやればこれでほとんど漏れることはありません。




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