フロントハブベアリング交換その2




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ハブの中にグリスを入れておきます。グリスは流動性がほとんどなく、ベアリングの方に流れては行かないので、写真のようにたくさん入れる必要はありません。しかし、防錆の意味があるので、ハブの内部にも塗っておきましょう。






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ベアリングにグリスをつめ、まずはインナーベアリングだけをハブシャフトにセットします。

写真はリアのベアリングをやったときのもので、モリブデングリスを使っていますが、ベアリングにはモリブデンは使わない方が良いそうです。
今は評判の高いウレアグリスを使っています。
やり方ですが、片方の手のひらにグリスをたっぷり取り、もう一方の手でその上にベアリングを押し付けるように転がすとローラーの隙間からグリスが押し込まれます。もちろんグリスパッカーを使うと楽に出来ます。








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ベアリングにグリスをつめたら、写真のように、先にオイルシールとベアリングをアクスルシャフトに入れてしまいます。





先にオイルシールをアクスルシャフトに叩き入れます。
たがねなどを使うと傷がつくので、木やプラスティックの棒を当ててハンマーで優しく叩き入れます。



その後、インナーベアリングをセットします。
少しでも傾くとなかなか入りませんが、うまくセットしてください。

グリスのついたてで触りまくってべたべたになっていますが、関係のない周りのグリスはよく拭き取っておきましょう^^;;;





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ここまで出来たら、ハブをアクスルにはめ、アウターベアリングもセットします。
汚れた手でベアリングを触らないようにしましょう。


はまりにくいですが、ぴったり来るところがありますので、そっとあうところを探して下さい。
荒くやるとオイルシールを痛めかねないので注意して下さい。








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ワッシャーをはめ


ナットを締め込みます。
この締め圧が非常に難しいところです。
ここはディーラーなどでも勘に頼っているところが大きいようで、実際はエンドフロート(遊び)をダイアルゲージで図らないといけないところです。
ひとまず、私が行った方法を下に記しておきます(全く責任は持てませんので、あしからず)



ひとまず、レンチなどで普通に締め込んでいきます。重くなったところから少しだけきゅっと締め込むことで、オイルシールやベアリングがきれいにはまり込みます。ハブを手で回しつつ締め込み、回らなくなるギリギリのところところまで締め込みますが、あまり締め上げるとベアリングを痛めるので、レンチを回す手が重くなったら少しずつ様子を見ながら締め込んでください。


そのあと、一度緩めます。今度は指で軽く回して締まるところまで締め込みます。そこから少しだけ、本当に気持ち緩む方向に戻します。だいたい5度程度戻すと思ってください。ベアリングに遊びを確保するために行います。
※実際、指の力で回らないところまで締め付けただけで締め付け過ぎになり、ベアリングからカチカチ音がし始めました。ちなみに私の握力は50kg程度です。その根限りの指の力では強すぎということのようでした。ですから軽めにナットを締め込んでいく必要があります。


念のため、手でスムーズに回るかどうか、ガタがないかどうか確認して下さい(強く揺すって、あるかないか位のガタは必要だと思います)。オイルシールが新しいので、抵抗なくシュルルル・・・と回ることはありません。


この説明からしてもずいぶんと感覚に頼ったやり方であることが分かると思います・・・




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リテイナーをかぶせ、割りピンを噛ませて終了です。
割ピンは切り欠きのある方から差込みます。





2010.10追記
ベアリングのクリアランスですが、やはり慣れないうちはきちんとダイアルゲージで計った方が間違いがありません。
輸入品であれば3000円ちょっとで購入可能ですので、失敗することを考えれば非常に安い買い物です。



これがダイアルゲージです。
ゲージとマグネットベースは普通別売りですが、ストレートなどの激安輸入工具点で購入すれば、上で書いたように、セットで3000円程度で購入できます。




マニュアルによれば、エンドフロート(ベアリングの遊び、クリアランス)は0.025mm-0.08mmの間となっています。
写真のように、マグネットベースに取りつけたダイアルゲージをセットし、ブレーキディスクを手で引っ張って、エンドフロートを計測します。上記範囲内になるようにナットを回して調整してください。回すと言っても、本当に少しだけです。1mmも動かせば範囲外になるほどシビアです。
一度その感覚を覚えれば、プロが言うように「手でしまるだけ」でやっても問題ありませんが、その感覚を覚えるためにも、最初はダイアルゲージを使った方が良いでしょう。




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