フューエルプレッシャーレギュレータ交換(2011.6)




いつからか忘れましたが、少なくとも1年以上、朝一エンジンの掛かりが悪い(最初に火はすぐに入るものの、500位でボッと入った後1500くらいまでブワーンと上がる。いわば最初の吹け上がりが2段階になる)し、燃調も濃い気がし、どうも何かが悪いのは間違いないようです。
センサー類は全部変わっているので、もうここくらいしかないだろう、という事で交換する事にしました。






フュエルプレッシャーレギュレータは丸で囲んだ部品です。
燃料レギュレータとか、燃圧レギュレータとか言われます。
仕組みに関してはこのページの下に解説を入れておきます。






まず、燃圧を逃すために、2つの作業をします。
燃料タンクのふたを開けておきます。
プシューッとガソリンの蒸気が出てくると思います。




次に、燃料ポンプのリレーを抜き、ポンプを作動しないようにしてから、エンジンをかけます。
かからないか、かかってもすぐに切れると思いますが、そうすることでラインに残ったガソリンがインジェクタから吐き出され、圧力が落ちます。






燃圧を逃したらレギュレータを取り外します。
まずは上流側から外します。
どちらからでも良いのですが、上は金属パイプしか無く、下側の固定が無い状態でナットを緩めるとパイプが歪む恐れがあるためです。
下側のパイプはその下にホースが接続されていて自由に動くので、歪む心配はありません。

赤の六角の部分に13mmをかけ、青い19mmのナットを外します。
ガソリンが漏れてくるのでウェスなどをしいておいた方が良いです。






次に、下側の接続を外します。
ブラケット固定ナットに22mmをかけ、やはり19mmのナットを外します。







レギュレータ固定ブラケットを外します。








レギュレータがフリーになったら、インマニ接続ホースを引き抜けばレギュレータは外れます。







問題はこれ。
ブラケット固定ナットがなかなか外れません。
ブラケットは非常に柔らかいので、これを持って回す事は出来ません。すぐに歪みます。

本来はレギュレータを万力で固定してナットを緩めるのが正しいですが、無かったので仕方なくナット側をブレーカーバーとボックスレンチの組み合わせで固定し、レギュレータをハンマーで殴ってなんとか回しました。







やっと外れました。
新旧比較。








今度は新品を逆順で取付けていきます。
まずはインマニ接続ホース。
ねじれないように取付けます。





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ブラケットの取り付けをする前に、燃料ラインに仮留めします。


そして、ブラケットの位置を調整し、固定ナットを締め付けてブラケットをレギュレータに固定します。




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あとはすべてを元通り締め直して終了です。
あまり極端に強い力で締めすぎないよう注意してください。








フュエルプレッシャーレギュレータの仕組み



フュエルプレッシャーレギュレータは、インジェクタレールの後ろに付いています。
インジェクターはただの弁なので、圧力がかからないと燃料を霧吹きのように噴射できません。
インジェクタレールの後ろ側で流れを制限してやると、インジェクタにより多く燃料が逃げていくという事です。








レギュレータ自体の構造は下のようになっています。

1 インマニ接続口
2 スプリング
3 バルブホルダー
4 ダイアフラム
5 バルブ


エンジンが回っているとき、アクセルが閉じた状態では、エンジンが空気を吸い込めるルートが限られるため、レギュレータのインマニ接続口からも吸い込もうとして強い負圧がかかります。
そのため、アイドリング時には、レギュレータのダイアフラムが上に吸い上げられ、バルブが開きます。
バルブが開くと、ガソリンがスムーズに燃料タンクへ戻るようになり、結果結果インジェクタの吐出量が減ります。

アクセルが開くと、空気の流入口が大きく口を開くため、インマニの中の圧力は大気圧に近づきます。要は、エンジンがたくさんの空気を必要として入るものの、スロットルが開いているので、インマニの中の負圧はあまりかかっていない訳です。そうするとレギュレータにかかる負圧も減ります。するとダイアフラムはスプリングの力に負けて元に戻り、バルブを閉じます。
バルブが閉じると、ガソリンの流れの障害となり、上流のガソリンはインジェクタ以外の行き場を失うので、結果インジェクタの吐出量も増えます。


たまに、燃圧が下がっているのに燃調が濃いという、構造からすると相反する状態になることがあります。その場合は、ダイアフラムの損傷により、インマニ側に燃料が漏れている可能性があります。





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