チャコールキャニスタ(カーボンキャニスタ)分解整備(2010.6)


2年前(購入後1年)の夏は猛暑でした。
京都の旅行に行った際、気温は何と40度。そんな中炎天下に駐車し、直後渋滞に巻き込まれました。そのうち、車内がガソリン臭に満たされ、窓を開けようが何しようが耐えられないレベルになってしまいました。
結局2泊3日の旅行は体調不良で1泊2日に短縮。


京都のジャガーディーラーは休みでしたが、系列店のボルボディーラーが親切にも見てくれて、チャコールキャニスタではないか?ということを教えてくれました。


※チャコールキャニスタとは・・・
ガソリンタンクから出たガソリンの蒸気は、普通エンジン内に送り込まれ、混合気と一緒に燃やされるのですが、それが処理しきれない分は、活性炭の入ったタンクを通し、それに吸着させて空気だけ大気放出します。
そのタンクのことをチャコールキャニスタ(カーボンキャニスタ)と言います。


それから、2年。
実はその間も何度も、暑い日にエンジンに負荷がかかるとガソリン臭にやられていました。
さすがに直さなくては臭くてかなわないので、今年暑くなる前にようやく処置を施すことにしました。


この装置に関しては、
小川さんのHP、およびSHIOさんのHPにも記載があります。
特に、SHIOさんの最終型XJSのチャコールキャニスタはX300の物と全く同じ物ですので、参考になります。
ただし、いずれもフロントについている点がX300とは異なっています(XJ40まではフロントに装着)。





まずはパーツリストで確認です。
チャコールキャニスタは1のパーツです。
X300では、助手席側の後部座席下あたりに装着されています。
9がプレッシャーコントロールバルブ(逆流防止弁)、15がパージバルブです。
パージバルブはエンジンベイ助手席側、エアクリの下に装着されています。

※19以降の四角で囲まれたパーツは6リッターV12用のパージバルブです。





写真はリアタイアを外して車両後方より撮った写真です。
リア左側のジャッキアップポイントすぐ横に、キャコールキャニスタはあります。








キャコールキャニスタを車両後方から見た写真です。
黄矢印がタンクから来たベーパー(蒸気)のライン、青矢印が大気放出側になります。

後ろは赤矢印で示したトルクスねじ(サイズ30)で1箇所留められています。








フロント側は2本のトルクスねじで留まっています。








ねじを外し、配管を外すとチャコールキャニスタの取り外しが可能になります。
配管は、アタッチメント部分(キャニスタに刺さっているところ)が柔らかい樹脂なので、うまくこじると抜けてくれます。
下手にゴムホース部分を外そうとすると、ゴムが硬化しており逆に大変です。







ふたは接着剤で留められているだけなので、マイナスドライバーを差込んで、ハンマーで打ち込み、その後そこを足がかりにこじ開けていきます。
割らないように注意して下さい。






ふたを開けたところ。
真ん中の水色の鉄製プレートで内蓋が留められています。
ちょっとやそっとでは取れないので、思い切って両端を上に引っ張って変形させ、力ずくで外して下さい。
プレートさえ外れれば、あとは内蓋ははまっているだけですので簡単です。





内蓋を外したところ。
中にはこのように活性炭がびっしり詰まっています。








今回は園芸用の炭ボールを利用しました。


このような代物です。
観賞魚の水ろ過用活性炭でも良いでしょう。



これ自体の内容量は1.15Lでしたが、少し少ないくらいだったので、1.5L程用意しておきましょう。


※2010.11追記
やはりこの墨ボールでは若干脱臭能力が低いです(汗)
セラミックのボールの周りに活性炭をコーティングしたと書いてあったので、純粋な活性炭を入れるのが正解です。






10

さて、チャコールキャニスタにつながっているホースのアタッチメント部分です。
写真のようにOリングが噛まされており、これが劣化していました。
ここから漏れていた可能性もありますので、手持ちのOリングセットの新品と交換しました。
イン側、アウト側、2本とも交換しておきましょう。




今回、プレッシャーバルブの状態も見ておきたかったのですが、ホースが硬化して抜けなくなっていたのと、ジャッキアップを最小限にしていたこともあり、あきらめました。
ただし、キャニスタに続くホースをアタッチメントから外した際に、ガソリン臭がふわっとしたので、詰まりはないでしょう。


パージバルブはエンジンをかけてみて、カチカチカチ・・・と音が鳴っていれば大丈夫です。






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