リンプホームモードの主な原因と対処



X300の4リッターモデルNAおよびSCモデル、そしてV12・6リッターモデルには、ATを保護するための機能として、「リンプホームモード」というものが備わっています。
これは、エンジンやATの作動におかしいところがあったとき、コンピュータがATの変速を制限(※)して、ATのダメージを最小限にするようにするというものです。


このモードに入ると、メーカークラスタ内の左列一番上の黄色い警告灯が点きます。

3.2リッターモデルは、ATが機械式のためこの機能はありません。



※通常走行時は3速固定、高速走行時はオーバーレブを防ぐためいったん4速固定になった後、3速固定。従って、日本の道路を走っている限りはほとんどの場合3速固定。



電子制御ATでも、モデルによって2種類が用意されています。採用されているATは以下の通りです。


・XJ6 4.0 Select
・XJ Sovereign 4.0
 >
ZF社製 4HP24

・XJR
・XJ12/Daimler Double Six
 >
GM製 ターボハイドロマティック 4L80E


いずれも、AT本体は非常に丈夫で、ほとんど壊れることはありません。
20万キロくらいは平気でこなしてしまいます。
従って、リンプホームモードに入ってしまうのは、ほとんどがエンジンマネージメントのトラブルによるものです。リンプホームモードに入ったら、まずはエンジンのトラブルを疑ってください。
ただし、後者(GMミッション)に関しては、ATのコンピュータの故障ないしは配線の不良がよく報告されていますので、要注意です。
X300においてミッション載せ換えに至る事例というのはほとんどありません。


エンジンマネージメント不良によるリンプホームモードは、一晩明けると直っていることもしばしばです。
また、バッテリーのマイナス端子を外し、10分程度待つと解除されることがほとんどです。
原因がはっきり分かっている場合はリセットをするのも一つの手です。
ただし、原因が取り除かれない場合は、バッテリーの端子を外しても解除されなかったり、解除されてもすぐに元に戻ったりすることもあります。
そのような場合には、ディーラーでダイアグにかける必要があります。


なお、ATのオイル漏れによる油圧低下などではリンプホームモードに入らないので、逆に注意が必要です。
ATの動作がどこかおかしいと思ったら、停止させてチェックしましょう。


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