サイドミラー格納不良修理その2







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このように開けます。
このふたが折り曲げられたところから非常にちぎれやすいので、注意して扱って下さい。
過去4つ程ばらしましたが、1つは開ける前からちぎれており、2つは作業中にちぎれました。

なお、モーターにつけられているダイオード等は、X308では小さな基板にまとめて取り付けられています。







モーターにつながるコードは、配線側から引っ張るとある程度の長さを確保できます。
このままコードがふたの上を這っていると、ふたの取り外しが出来ないため、引っ張って来て・・・



横によけます。
ちょっと無理をさせなければいけないので、配線を傷つけないように丁寧にやって下さい。
もし半田が得意であれば、半田を取ってしまっても良いと思います。
その場合、どちらのコードがどちらのモーターの端子につくか必ず印を付けておきましょう。組み上げた後、反対に動いてしまってはせっかくの労力が台無しです(経験談)。



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今度は、裏を向けて、矢印の白い樹脂の留めを少しずつこじて外します。



その次に、白い留め具の下にあるリングワッシャーを外しますが、これが固くて非常に外しにくいです。カギ状のピックツールなどで引っ掛けて外すしかありません。


なお、コードの周りの黒い部分がポテンショメーターとなっており、ミラーの開度がある程度まで行くと、モーターの動きを止めるようになっています。
X308用ミラー(中期)ではこの部分が大変取れやすく、位置がずれるとモーターがいつまでも止まらなくなることがあるので注意して下さい。
X308のポテンショメーターが万が一外れた場合は、一度分解して、位置合わせ用のピンとその穴があいているのを見て、どことどこがくみ合わさるのかよく観察して元に戻しましょう。


留めを外すのに、コードが邪魔しますので、これもうまくコードを引っ張って余裕を作ってやります。
写真では、私が少しミスして欠けさせてしまっていますが、これは手順を忘れ無理にやってしまったものです。丁寧にやれば大丈夫です。



模式図です。上図のように、下の留めが、金属のチューブ(青色部分)を固定していますが、チューブは上で黒いモーターユニットのふたを外せないように留めてあります。




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ここが外れたら黒いふたの部分を持ち上げていきます。
固いですが、マイナスドライバ等で少しずつこじて、丁寧に持ち上げます。
この辺りまで持ち上がったら、モーターを外しにかかります。
赤い矢印で示した部分がモーターを押さえつけているので、これがこの写真くらいの高さまで持ち上がったら、次のようにモーターを外します。




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青いコンデンサが寝ていて邪魔なので引っ掛けて起こします。
その後、モーターのお尻を図のように持ち上げるようにモーターを外します。




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別のミラーですが、バラバラにした時の写真です。
左上に転がっているギアがモーターからの動力を伝えるギア。
ユニットについているギアは3つあり、上段・中段・下段のうち、トラブルの元になるのは常に下段のギアです。




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下段のギアだけ残して、他のギアを持ち上げた写真です。
このギアは完動品の中古として購入した物ですが、それでも矢印のところにクラックが入っていました。
写真をご覧頂くと分かると思いますが、ハウジング(ギアの周り、ギアユニットの入っているケースのこと)とギアの間に隙間があるために、ギアが割れてしまうと、割れた部分が広がり、ギアの歯飛びにつながる訳です。
結局、ハウジングとギアの隙間に薄い噛ませ物をして、ギアの割れを締め付けてやれば、割れたままでも問題なく動作は復活します。



先ほどの別ミラーの画像です。
下段ギアも持ち上げていますが、完全に割れているのがお分かりいただけるでしょうか?




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それでは、何を噛ませれば良いかというと、私が行ったのは以下のいずれかです。

・水回り等に使用するステンレステープを2つに折ったものを噛ませる
・アルミ缶を切ったものを噛ませる

今回アルミ缶を切った物を使用しました。
ステンレステープよりも扱いやすいです。
ギアの高さよりも少し狭い幅に切ります。1周すべて噛ませることは不可能なので、3/4程度で十分です。とにかく、割れの隙間を締め付けるのに十分なだけ用意できれば良い訳です。

※後記
とある自動車修理屋さんで頂いた国産車のボールジョイントブーツ固定用金属リボンが非常にぴったりで、あつらえたようにきれいに収まりました。アルミ缶ではやはり気持ち薄いので、もう少し厚い代替品を探す必要がありそうです。




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15で作ったアルミの薄いリボンは、写真の赤矢印の部分に噛ませます。



このような感じでギアと一緒に押し込みます。
ちょっとこつがいるので、少しずつ丁寧にやって下さい。また、上にはみ出さないようにして下さい。
先にアルミをハウジングにセットしてからギアを入れても良いと思います。

ギアはハウジングの中を回りますので、このアルミリボンともこすれることになります。摩擦が増えてモーターに負担がかからないよう、グリスをさしておいて下さい。それでも、この作業をしていないミラーよりも若干動きが遅くなる可能性はあります。



上から見た図。このように噛ませます。




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後は戻していくだけですが、このギアユニットを元に戻すのが結構大変です。
まず、上段ギアと中段ギアを黒いふたの方にセットします。
セットしたら、ダイキャストのギアハウジングの方にはめ込みますが、一発では絶対に入りません。
浮いたままで結構ですので、モーターからの動きを伝える白いギアをもセットします。


その後、黄色矢印のように、黒いふたを指で押さえ込みつつ、白いギアを手で回していくと、中の上段/中段ギアが動きます。下段ギアとぴったりはまるところに移動していくまで回して調整して下さい。


※2010/8追記
 上段ギア、中段ギアともに下のハウジングにはめてから、黒いふたをした方が簡単です。



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モーターからの出力ギア(大きな白いギアの右下にある小さなギア)も忘れずセットします。





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モーターを隠しているふたがちぎれてしまったら、よく脱脂をして、アルミテープで貼付けると非常にうまくつけられます。ビニールテープ等の他のテープでは、糊がベタベタになり、後ではがれる恐れがあるので、アルミテープが最適です。よくこすりつければ、アルミ自体も下地になじみます。



後はすべてを元に戻して終了です。




※2010/8 追記
 これらの方法でも、ギアが欠けてしまっている場合は復旧不可能です。
 微妙に調子が悪いな、と思ったら、早めに処置をした方が良さそうです。
 
 みんカラででしれるさんが公開していらっしゃるように、半田ごてで割れたギアを接着するのも効果的だと思います。
 http://minkara.carview.co.jp/userid/473409/car/407966/1062090/note.aspx
 私はプラスティックのこげた臭いを嗅ぐと体調を崩すので実践できていません・・・




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