フューエルプレッシャーレギュレーター交換(2012.4)




ジャガーでは直6よりもV12で多いのがここのトラブル。
フューエルプレッシャーレギュレーターがダメになるとエンジンのかかりが悪くなったり、振動が出たりするようになります。
エンジンにやや振動が出ていることから、不安を消すためにインジェクター周りを触るついでと言う事で換えておく事にしました。






DVC00359
フューエルプレッシャーレギュレーターは、右バンクのインジェクターレール先端についています。
前期ではこれが2個ついていて、入り口/出口それぞれで燃圧調整しています。

作業前に、燃圧を逃しておきます。
その模様は
こちら





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突如エアコン配管が変わっていますが気にしないで下さい^^;
レギュレーターは2つのボルトでインジェクターレールにマウントされているだけなので、これを外します。





DVC00534
フューエルパイプを緩めて外します。
このとき、ガソリンが溢れ出てくるので、タオルなどで受けます。
結構溢れてきます。





DVC00385
外したフューエルプレッシャーレギュレーターのハウジング。
下の負圧ホースはただ差し込んであるだけなので、引っ張って外します。





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下側にこのような六角ボルトが2本あるので、これを外します。
レギュレーターはOリングでしっかりと止まっているので、グリグリと回しながら引き抜くと外れてきます。





DVC00002
新旧比較。
いずれもBOSCHの製品です。



古い方もまだまだ生きていました。
よって交換後も特に変わった所はありませんでした。
同時にインジェクター洗浄をしたので、エンジンは明らかに静かになりましたが。




<2013.5>
エアクリをワンオフ品に換えた関係で、冬に入ってからその弊害が現れていました。
燃料に対して空気が入りすぎてしまうようです。
スロットルバタフライは完全に閉じているんだから一緒だろう、という訳にはいかないようで・・・


冬場になり、気温が下がって空気の密度が高くなる、あるいはエクストラエアバルブの開き具合が大きくなると、エンジンのかかりが悪くなり、かかった後しばらくアイドリングが愚図ります。
それでも一度走り出して温まってしまえば、特に問題は出ていなかったのですが、やはりアイドリングはV12にしてはバラつきます。


燃料を少しでも増やしてやろうとあれこれやりましたが、結局水温センサーを弄る作戦もECUを弄る作戦も失敗し、吸気温センサーに抵抗を噛ませてインジェクタの開く時間を5%ほど長くするように設定したところ、大分マシになりました。
その後、春になって、エクストラエアバルブを絞り、アイドリング時の空気の量を少し減らしてやったところ、始動性はまあそれなりに良好になりましたが、今度はアイドリングが一寸低すぎるうえ、燃焼状態が悪く、排ガスが非常に臭い。


もう燃料の量を根本的に増やさないことにはどうにもならないと言う事で、思いついたのが、燃料ポンプないしはレギュレータの変更です。
調べましたら、6LになってからのXJSは、燃料系に以下の変更がありました。

・燃ポンがツインになっている
・レギュレーターが2.5Barから3Barになっている

ポンプの変更はインタンク式ですので、簡単には行かず、現実的でない。
もっと簡単なレギュレータの変更で、燃圧を上げてやれば、少しはガソリンの量が増えるはずです。
問題はインジェクターや燃ポンがその圧力に耐えられる使用かどうかという事です。


91-93年では燃ポンは4.0も5.3も共通。
後期のV12は5.3も6.0もインジェクターは共通。
燃圧は4.0と6.0が3Barで5.3が2.5Bar。


ということは、インジェクターも燃ポンもスペック的には問題ないと言う事ですし、5.3Lの燃圧を2.5から3.0に上げてやれば良い感じになるかもしれない。
調べてみると、5.3Lモデルの燃圧は、レギュレータの働きでアイドリング時は約2Bar、マックスで2.5Barに制御されているようです。
多分3Barのレギュレータは2.5-3.0の間をうろうろしているものと思われます。


そこでレギュレータのバキュームホースを外して、燃圧を2.5Barに固定してみました。
すると始動性もアイドリングもすこぶる調子が良い。
これでレギュレータを交換してみることに決定しました。
燃料が単に増えるだけでなく、圧力が上がると言う事はガソリンが気化しにくくなるので、パーコレーションも起こしにくくなると言う事です。


しかし、6L用の純正レギュレータは生産終了している上、同品番のBOSCHのレギュレータももう作っていないようです(つまり、ダメになったら普通ならどうしようもない。これはXJ40/X305も一緒)。
色々探して、別車種用で使えそうなレギュレータを発見したので、頼みました。

Pasted Graphic
上の写真の左が元々のレギュレータ、右が3Barのレギュレータです。

Pasted Graphic 1
バキュームの取り出し口が真下なのと横なのが違うだけで、他のサイズは完全に一緒です。
バキュームの取り出し口は、取り付けに際して全く問題になりません。

Pasted Graphic 2
装着した写真。


インプレですが、非常に良い感じです。
エンジンかけた直後もアイドリング安定してます。
明らかにパワーもトルクも上がっています。走り出し、それから特にトップギアの2000rpmくらいの中間加速が凄く良くなりました。
1速で引っ張ると6500rpmまでスパッと回ります。
前みたいに5000rpmくらいで愚図りません。
なにより、エンジンの回転感が滑らかになりました。吹け上がる時の音も違います。


お陰で、エアバルブのエア量も普通に増やすことが出来るようになりました。
夏のパーコレーションによる始動難も起こりにくくなりました。


もちろん、ノーマルエアクリのままこれをやっても良くないでしょうね。
今回は目論み通り上手くハマってくれて満足です。



※2013.12
結局マフラー交換後2.5Barに戻しました。
シリンダー内の空気の充填効率が変わったらしく、マフラー交換後は燃調が濃すぎて全然駄目でした。
なかなか難しいものです。



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