クランクダンパー(ハーモニックバランサー)交換(2013.1)





エンジンフロントのクランクシールからのオイル漏れが酷く、エンジンの前のみならず下回りもどこもかしこもオイルまみれで辟易していました。これを交換する際、ついでにクランクダンパーも交換する事にしました。

なお、交換に際しては海外の
このページが非常に役立ちました(ページはクランクシール交換の作業模様です)。
あわせてご覧下さい。
私の下手な写真では見にくい部分もよく見えると思います。





P1090130
まずスペース確保のためラジエーターアッパーパネル(コアサポートパネル)を外し・・・

P1100003
ファンシュラウドも引き抜きます。





P1100004-1
次にベルト一式全て外します。
矢印で示したのが目指すクランクプーリーです。


P1100009
逆方向から、ベルトを外した終えたところ。






P1100010
クランクプーリーは2分割になっています。
まずは前側のプーリーを外します。

前にクランクを回すためのダミーのナットがあります。
これがボルト2本で留まっているので、外します。
このボルトにスペーサーが挟まっているので落としてなくさないよう注意して下さい。

P1100011
IMG_2393
ボルトとそのダミーのナットおよびスペーサー。

IMG_2395
その後、さらにボルトを2本外すと、プーリーを外せます。
以下コンポーネンツの写真です。

P1090103
プーリーは大きなマイナスドライバなどでこじるとスコッと抜けてきます。
重いのでラジエーターを傷めないよう注意して下さい。


P1090092
下からの写真。
プーリーを外すと、このようにクランクダンパーが見えてきます。





P1100029
問題はクランクボルトをどう緩めるかです。
先に紹介したページでは、ATのトルコンインスペクションプレート(要は覗き穴を塞いでいるプレート)を外し、リングギアにバイスを噛ませて回り止めをしていました。
しかし、残念ながらマレリーイグニッションになってからは、そちらからもエンジン回転速度を取っており、フライホイールセンサーのブラケットがあるためにバイスを噛ませるような余裕がありません。

従って、スターターモーターの力を借ります。
写真のように、ブレーカーバーに34mmのソケットを取り付け、クランクボルトにはめ込みます。

P1100030
これを下に遊びが無いようにしっかり固定します。
必要ならブレーカーバーでクランクを回し、位置を調整して下さい。


この状態で、コイル〜デスビ間のプラグコード2本を外し、エンジンがかからないようにして、スターターを回すと、何とも簡単にボルトを緩める事が出来ます。




IMG_2400
ナットが外れたら、いわゆる普通のクランクプーラーでクランクダンパーを引き抜きます。
爪で引っ掛けるタイプよりも、ボルトをかけて引き抜くタイプの方がスペース的に使いやすいです。

puller
ちなみに、今回使ったのはこれ。
ボルトの先端が小さすぎてクランクボルトの穴に入ってしまうので、クランクボルトを何山かかけた状態で、ボルトの頭にプーラーのねじをあてがい、ダンパーをひとまず抜きます。そんなに力はいらず、すっと抜けてきました。
その後、ボルトを外してダンパーを完全に取り外します。

P1090090



fef3afc863108edc2c0202117e625bd5
取り外したクランクダンパー。
内側に溝が彫ってあるのがお分かりになると思います。
これで位置決めをしています。

P1090089
クランク側にはこのようなコーンがあり、こちらからは見えませんが半月キーが差し込んであります。
それを上の溝とあわせて差し込むようになります。

今回はここから引き続き
クランクシールの交換も行いました。





後は逆順に戻して行くだけなのですが、クランクボルトの締め付けが問題です。
P1090090
クランクダンパーをはめて・・・

P1090092
クランクボルトにロクタイト(弛み留め)を塗り、クランクが回り出すまで締め込みます。
締め込むのは車両上方からやった方が楽です。

ぎゅーっと締め付けて行き、ボルトではなくクランクが回り出したら、締め込み方を変えます。
ブレーカーバーを木ハンマーやゴムハンマーで締まる方向に叩いて衝撃を与え、その力で締め込みます。手動インパクトのようなものです。これで普通に締めるよりも高トルクで締め付ける事が出来ます。
あるいは、ベルトクランプ(オイルフィルターを交換したり、硬い瓶の蓋を緩めたりするときに使うクランプ)でクランクダンパーを固定して締め込めば良いでしょう。

あとは全てを元に戻して終了です。



inserted by FC2 system