イグニッションロータリースイッチ分解清掃(2014.6)




ある時、出先でキーをひねっても車がうんともすんとも言わなくなりました。
困り果ててひとまずJAFのお世話に。
そこで来てくれた人がメカニックで、その場で原因を追及してくれました。
キーの根元のスイッチがおかしい、ということで、自分で出来るなら帰って分解してみてくれ、とのこと。
そこで実際に分解してやってみました。


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まずステアリングのコラムロアカバーを外します。
キーシリンダーカバーは写真矢印(ピンぼけお許し下さい)の部分のネジを1個取れば外せます。あとはコラム下の2本のポジドライブ(プラス)ねじを外せばカバーは外せます。





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カバーを外した所。
赤丸で囲った部分がロータリースイッチです。





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爪2箇所で留まっているだけ(写真赤矢印)なので、マイナスドライバーなどで爪を解除して外します。






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コネクタはコラムの下の方にある大きな黒のコネクタです。
固くて外すのに苦労しました。
外す前にタイラップを切ってフリーにします。





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取り外したロータリースイッチ。






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まずキャップを外します。
瞬間接着剤のようなもので接着されているので、割らないように細いマイナスドライバーなどでゆっくりこじりながら外します。





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スプリングを外します。





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今度はスイッチの下側の蓋を外します。
同じく接着剤で留められているので、割らないように、赤矢印の方向からマイナスドライバーなどを差し込んでゆっくり剥がします。
青矢印で示した部分が爪です。これが3箇所あるので、解除して蓋を外します。

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このように引き抜きます。

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蓋の中にはスイッチのロックになるボールとキー(蓋の中にある銀色の部品)があるので、無くさないよう注意して下さい。

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元はこのように入っています。





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裏から見た所。
真ん中にピンが通っているので、これを外します。

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外したピン。

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外したピンのリテイナー(固定具)。

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ピンのリテイナーの模式図。
真ん中に長方形に近い穴が開いているので、矢印形のピンを差し込み、90度回すと固定出来る仕組みになっています。
外すときは逆にひねればOKです。

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ロータリースイッチのスイッチングユニット部分。
これの真ん中の穴に上のリテイナーがはまっています。




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スイッチングユニットの裏には銅の接点があります。
ここの接点に酸化皮膜が出来、通電しなくなったためにエンジンがかからなくなっていたのでした。
外して100番くらいのペーパーで磨きます。また、磨いたあとは接点グリスを塗っておきます。

小さなスプリングが入っているので、決して無くさないようにして下さい。




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配線側も接点を綺麗に磨いてグリスを塗ります。




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なお、配線の所には、キーを押し込んだ時にonになる接点もありますので、これもチェックしておきます。




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あとは組み上げて終了ですが、ピンをリテイナーにはめるのが非常に骨です。
写真のように、平型端子のオス側の真ん中を削ったものを用意し、リテイナーがスプリングで押し返されるのをぐっと押さえ込みつつ、ピンを差し込んで90度回します。

また、元々接着剤で留まっていた所は再度接着剤を付けることを忘れずに。


この修理の結果、エンジンが問題なくかかるようになりました。




9/14追記
板金塗装に出している最中、エンジンがまたかからなくなったそうです。
やはり一度接点の荒れたスイッチはなかなか綺麗に直せないものです。
新品に入れ替えることにしましたが、中期モデル用は絶版。


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後期モデル用を買ってみたところ、キーの回転する方向が逆で、中身をすべて分解して入れ替えるという最悪な作業をするはめになりました。
コネクタは違うのでハンダ付けも必要でした。
上がもとのスイッチ、下が新品。

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右がもとのスイッチ、左が新品。
取り付ける方向が違うのでスペース的にも厳しく、交換には相当悩むはめに。

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同じく右が旧部品、左が新品。
コネクタも全然違います。


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で、そこまで悩んだのに、結局原因はコネクタの酸化による導通不良でした・・・
コネクタの酸化皮膜をマイナスドライバで削って解決。
それ以来再発していません。
ここは大電流が流れるので、皆様もぜひチェックしてください。





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