デフロストベント修理(2013.10)



もう1年近くなるでしょうか、気付けばダッシュボードの奥から段差のあるたびに「バイーン」「ビロロローン」と、薄い鉄板が響くような音がしていました。
ダッシュをドン!と叩くと、上手くすればしばらく鳴らないのですが、エンジン切ってもう一度乗るとまた再発するという次第。


エンジン切ったら再発、ということはエアコンのフラップか・・・?と思って、手探りで色々調べてみると当たりでした。
ちなみに、このフラップには実はもうひとつ問題があります。
XJSはエアコンをかけて乗ると、デフロストからわずかに風が出ます。
これは、室内の曇りを押さえるための設定なのですが、夏の湿気の多い日に乗ると、何と窓の外が曇ります。晴れの日でもワイパーを作動させる羽目になります。これが夜だと、窓に潰れた虫を塗り広げることになり最悪です。
今回はこれも一緒に修理(偶然構造が理解出来たからですが)しました。


ただこの部分、外し方は何故かマニュアルにも載って無いので、作業には思い切りが必要でした。




Pasted Graphic
デフロストエアダクトの全貌です。
フロントウインドウのすぐ下にあります。
フラップはこの下で、ダクトを外さないとアクセス出来ません。






エアダクトは、3箇所のクリップで留まっています。
両端と真ん中です。

Pasted Graphic 1


P1120381
中央

P1120380


これらは、金属のピンに刺さっているので、マイナスドライバーなどで下からこじると外せます。しかしこの部品、もう生産終了で新品が出ないので、外す時には相当慎重にやらないといけません。

P1120376
クリップボタンの構造です。
裏には写真のように穴が開いていて、ここにピンを差し込んで固定します。
引き抜くと必ず裏の穴が歪むので、引っかかりの部分をマイナスドライバなどで押し込み、形を整えてから再利用します。
ボタンに傷が入った場合、アルミ製なので、軽くペーパーを当てて傷をならし、つや消し黒で塗装すれば見た目は元に戻ります。





P1120353
取り外したエアダクト。

P1120354_2
さすがにゴリゴリとクリップをこじった所は傷だらけになってしまいました・・・
後でスカッフマスターで塗って直すので問題ありません。
傷だけカッターで成形して直しておきます。

P1120356
裏はこの通り、スポンジのカスとタバコのヤニで汚いことになっています。

P1120355
アップ。
塗装も剥がれているので、掃除してからスカッフマスターで補修します。






P1120378
掃除を済ませ、スカッフマスターで塗装もしました。
塗装がボロボロに剥げた所も、この通り。

綺麗になりました。







P1120357
ダクトを外すと、エアの出てくる穴が丸見えになります。
この奥にフラップが隠れています。

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穴のアップ。
エンジンをかけ、エアコンをつけると、エンジンのバキュームでフラップが上がって来て穴を塞ぎます。

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フラップが閉まった所。
この写真を見ると分かりますが、なんとフラップに穴が開いています。
ここから僅かに空気を逃がすことで、フロントウインドウに常に冷気を当てていたのですね。






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フラップを観察していると、奥にスポンジが引っかかっていました。
引っ張り出してみると・・・なんとフラップに貼られていたスポンジの糊が劣化し、剥がれ落ちていたのでした。

P1120363
スポンジのアップ。
この通りスポンジにも穴が開いています。

しかし・・・フラップに一続きのスポンジを貼るのは、構造上ダッシュボードを全部ばらさないととても無理です。






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そこで、穴のひとつひとつに合わせ、スポンジをカットして貼ることにしました。
元のスポンジの厚みは2mmでしたが、最薄のスポンジで4mmしかなかったので、端を斜めにカットして薄くし、フラップが閉まる邪魔にならないようにしています。





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スポンジを貼った所。
これで冷気を完全にシャットアウト出来るため、夏の曇りからも解放されるでしょう。






P1120353
さて、ダクトの取付ですが、ダクトは奥側に爪があるので、これを斜めに差し入れてから、手前3箇所をピンで留めるようになります。
ピンを差し込むのが固すぎて出来ない場合は、無理せず穴を少し広げて行いましょう。
無理をすると表のカバーが凹んで大変なことになります。

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取り付けたら終了です。








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